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【2024/11/25 11:23 】 |
ep.9 おちけん! -後篇-


バー・シャマイムの片隅。


慧さまたちは、左之助、マミコと合流した。

「サークル自体は、お笑いの養成所を兼ねたようなもので、不審な点はなさそうだ。ただ、最近入ってきた講師の経歴が怪しい」
左之助は、聞き込んできた事実をそう伝えた。

「さて・・・」
慧さまはグラスを置くと、スールに向かって言った。

「どうやら、怪しげなのはその講師みたいだけど・・・?」

スールは手にしたグラスの中でカラカラと氷を回しながら、


「そいつがおそらく『耳』だ・・・」

「『耳』?」

「『耳』が情報を集めて、『手』が動く、そしてそいつらを指揮しているのが『頭』だ・・・」

「ずいぶんストレートなネーミングですね」斎(いつき)が言った。

「ねえ・・・そろそろ教えてよ・・・あんたが追っかけているのはいったいなんなの?」

「誤った方向に突っ走ってる科学者と、それを私利のために利用しようとしている奴ら・・・」

「!」

「なんで、そんなのと関わることになったのさ?」

「・・・あいつらは・・・」
スールはグラスを一気にあおった。


「オレの大事なものを汚そうとしている・・・」

「大事なもの・・・」
慧さまと斎(いつき)は顔を見合わせた。

 
時計を見て左之助がいった

「そろそろ奴がサークルを出る時間だ・・・」

「よしっ、行くよっ!」


「ヒヨコ神社」が動き出した。





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【2010/05/22 11:39 】 | メインストーリー | 有り難いご意見(3) | トラックバック()
ep.9 おちけん! -前篇-
ファンブルグ某所。
研究所によくあるような一室。
机、本棚、乱雑に積まれた本とレポートとおぼしき書類の山・・・。

部屋の中には4人の男女が見える。

「・・・それで『サンプル』の収集は進んでいるのか?」

「はっ、集まりつつはありますが、研究を継続するにはまだまだ足りませぬ」

「それらしい噂を収集して、あたってはいるものの、ほとんどがガセネタという有様で・・・」


「それとなく他の研究機関にも調査協力の依頼を流しておりますが、どこからも回答はありません」


「『サンプル』が集まらなくては『特異体』の培養は・・・」

「空蝉、その言葉は使うなといったはずだが・・・?」

「はっ、も、申し訳ありません・・・」

「とにかく、『サンプル』が少なすぎて、このままでは実用化のめどは厳しいかと・・・」

「よし・・・第二段階にはいる・・・」

「?」

「!?」

「捜索の対象を、戦闘職から非戦闘職、つまり生産職や特別職にまで拡大する・・・」

「「「!」」」

「野分、浮舟、空蝉!わかったか、今後は、民間人でも構わん、非凡なる才能の持ち主を探しだし、験体とするのだ」

「「「ははっ」」」
3人は頭を下げた。


「すべては我らの主のために・・・」

「「「すべては我らの主のために・・・」」」

部屋の中に、声が反響した。



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【2010/05/22 11:17 】 | メインストーリー | 有り難いご意見(1) | トラックバック()
ep.8 ”無骨な侍”と南からきた死神 後篇

その夜・・・。


リセリア城の中庭、「ハウト大曲馬団(サーカス)」のテントの周りは、すっかり人がいなくなっていました。
ついさっきまで、サーカス見物を終えたたくさんの人でごった返していたのに、今は時折警備の衛兵が通るくらいで、人通りはほとんどありません。




私達は、衛兵の巡回をやり過ごすと、打ち合わせ通り、それぞれの所定の位置へ向かいました。











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【2010/05/12 21:55 】 | メインストーリー | 有り難いご意見(4) | トラックバック()
ep.8 ”無骨な侍”と南からきた死神 中篇

こんにちは、斎(いつき)です。

お待たせしちゃってごめんなさい。左之助さんのお話の続きです。


『ハウト大曲馬団(サーカス)』を観に行った私達は、すご腕のナイフ投げのリョーコさんの技に感嘆しました。
目を閉じていても、頭に載せたリンゴを打ち抜く腕前に驚いたのですが、驚くことはそれだけではありませんでした。

ひとつは、リョーコさんは左之助さんと旧知の仲だったこと。

もうひとつは、左之助さんから発せられた「誰を殺しに来たんだ?」という言葉。


ええっ、リョーコさんは殺し屋なんですか!?







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【2010/05/12 21:36 】 | メインストーリー | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
ep.8 "武骨な侍"と南からきた死神 -前篇-

こんにちは、斎(いつき)です。

今日は、私達の仲間、左之助さんのお話をしますね。

左之助さんは、近距離での攻撃を得意とする兵士さんです。
ヒヨコ神社のメンバーは、リーダーのお姉さまが遠距離攻撃を得意とする盗賊で、私がクレリックですから、唯一の近接攻撃ができるメンバーということになります。
実際、左之助さんは、両手剣や戦斧、槍などを巧みに扱って、私達のピンチを何度も救ってくれました。


剣技に長けているだけではなく、武器の扱い方や手入れの仕方なんかも詳しいので、簡単な補修なんかは自分でやっています。
もちろんお姉さまの弓や私の杖についてもアドバイスしてくれます。


人間的にもできた方で、無口でめったなことがないと自ら前に出ることはありませんが、決して人付き合いが悪いというわけではありません。
誰とでも分け隔てなく付き合うし、決して年齢や性別で態度を変えたりしません。
最初はこわごわと様子を伺うように遠巻きにしていた黒猫さんたちも、いまでは、傍にいって、手入れを眺めたり、話しかけたり、膝に載ったりしています。


もちろん私がいろいろ相談すると、じっくり話を聞いてくれてアドバイスをしてくれるので、感謝しています。
ただ、言うことがちょっと古めかしいのが玉に瑕かな・・・。


みんなのお兄さんというかお父さん(?)・・・。

そんな左之助さんに起こったできごとです。



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【2010/05/10 22:40 】 | メインストーリー | 有り難いご意見(4) | トラックバック()
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