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ハワーク遺跡。
そこは遥か昔からシルトの民の聖地であり、また自らの可能性を追求するものに神託を授ける神殿の跡地として有名であった。 近年はそうした目的で訪れる人は少なくなったが、今でも信心深いシルトの民たちによって守られている。 古代の遺跡の多くがそうであるように、このハワークの遺跡にも秘宝伝説がささやかれていた。曰く、黄金の棺に眠る賢者のミイラだの、巨大な宝石が埋め込まれた宝冠だの、オリハルコン製の武器だの・・・・・・。 そうした噂を信じた冒険者たちが、ひっきりなし遺跡に訪れるようになった。シルトの首長は、傍若無人な冒険者たちに遺跡や周辺の自然を荒らされることを憂いて、学術目的以外の立ち入りを制限するように命じた。そして、遺跡には守護者(ガーディアン)を配置した。それ以来、秘宝が隠されているといわれる最深部にたどり着くものはいなくなった。 そのハワーク遺跡の最深部の入り口、祭壇の間に人影があった。 中央に据えられた祭壇の周りは手すりもなにもない崖で、その下は真っ暗闇で底が見えない。その崖っぷちに追い詰められた少女が一人。 その前方には人が倒れている。うつぶせのため顔は見えないが、少女と同じくらいの年恰好で、同じ民族衣装を身にまとっている。 その二人を取り囲む男女-年齢不詳のスレンダーな女を中心に、二人の中年男、お約束どおり細身で鼻のデカい男と太ったがに股の男-がジリジリと輪を狭めてくる。 少女の後ろにはもう一歩分の余裕もない。 「小娘、おとなしく祭壇の入り口を開けるンだよ!」 焦れた女は手にした鞭を振るったが、 「わたしたちは、入り口なんて知りませんッ!」 少女は、恐れるどころか逆に噛み付いてくる。 「ほらほら、おとなしくお願いしているうちに開けてくれませんかねぇ。さもないと、このおば・・・・・・お嬢様が怒りのあまり爆発しちゃいますからねン」 鼻の大きな男が猫なで声を出す。 「せやせや、こうみえて気が短・・・」 太っちょも話を合わせようとしたが、 「この、おしゃべりどもッ!!」 手にしていた鞭をなぎ払って、男たちをしばきあげる。 「隠すとためにならないよッ!コイツを治療しないと本当に命が危ないんだよッ。わかってるのかいッ!」 「あなた達はいつもそうです。事実をありのままに伝えると、決まって同じ反応をする。わけが分かりません。どうしてあなた達はそんなに、秘宝の在処に拘るンですかっ?」 「ふんッ、欲望は世界を救うのよッ!」 「そんな勝手なッ・・・」 強く噛んだ唇が切れて一筋の赤い糸が流れた。少女はその血を拭いもせずに彼らを睨みつけている。 女はふっとため息をついた。 「そうかい、そうかい・・・・・・。こんなに大人しくお願いしてるのに、聞いてくれないんだね。わかったよ」 男たちに向かって命ずる。 「お前たち、やっておしまいッ!」 男たちは顔を見合わせたが、少女に向き直ると、 「ガイドさん、悪く思わないでねン・・・・・・」 「さらばでまんねん」 太っちょが銃を構えると同時に、少女は一歩後ずさった。 しかし、既にそこには床はなく、 「きゃぁぁぁああああああ」 少女は悲鳴とともに谷底の暗闇に吸い込まれていった。 「馬鹿な小娘だよッ」 女は倒れている人を顎でさすと、 「あとを追わせてやんな。一人ぼっちは、寂しいからねェ。おーほっほっほっ」 「アイアイサーっ」 男たちは、手と足を掴むと、動かなくなった身体を谷底に投げ捨てた 「これで、秘宝は私たちのものッ!ほら、ぐずぐずせずに探すんだよッ」 甲高い耳障りな笑い声がハワーク遺跡にこだました。 PR |
それからいくつ目かの秋が巡ってきた・・・。
★ 10月も半ばを過ぎた頃 ここファンブルグは、日が落ちるのが早い。 夕方5時を過ぎれば、急速に暗くなってくる。 ハロウィンを間近に控え、メインストリートはかぼちゃのランタンで飾られ、昼間よりも明るくなっている。 しかし、城門を抜け街道からさらに分岐する小さな道ともなると、街路灯はおろか灯りになりそうなものはほとんどなく、暗闇が一帯を支配していた。 ひたひたひた・・・ そんな大陸中央部の小道を、急ぎ足で歩く小柄な人影があった。 手には小さな雪洞を下げている。 まるで蛍のように小さな明りに浮かび上がるのは、村娘が好んで着るセーラの服に束ねた髪を後ろでひとつにまとめたシルエット。 もう片方の手にはバスケットを提げている。 ファンブルグにお遣いに行った帰りであろうか。 その人影は、まるで後ろから来る何かから逃げるように小走りに歩を進めていた。 真っ暗な道の先に灯火の作る光の輪を見たとき、思わず足を止め、ほっとため息をついたのも無理はない。 しかし、その灯りは幸せを呼ぶものではなかった。 その輪の中に現れたのが剣呑な得物を手にした男たちであるのに気づくと、人影はひっと息を呑んだ。 慌てて引き返そうと思って後ろを振り向くが、時すでに遅し。 後ろからも同じような風体の男が2人近づいてきていた。 前に3人、後ろから2人。 人影はあっという間に囲まれ、逃げ場を失ってしまう。 「おい、女っ!」 ククリナイフと呼ばれる湾曲した刀を手にした太った男が大声を上げた。 「命が惜しければおとなしくいうことを聞けぃ!」 「アニキの云うとおりだぜ。大人しくいうこと聞けば、オレたちも手荒な真似はしねえよ」 「優しく可愛がってやるゼ」 「諦めて大人しくするか、イチかバチか無駄な抵抗をしてみるか、どっちを選ぶかお前ェが決めな!」 「オレたちはどっちでもいいんだぜ、ぐふふふ」 どうやら近頃街外れに出没する女性を狙った連続暴行犯の一味に違いない。 口に出せないような陵辱をしただけでは飽き足らず、金品を剥ぎ取り、時には命さえも奪うという極悪非道の輩。 1000万ゴールドの懸賞金も安すぎると言われる賞金首の5人組だ。 「うひひひ」 下卑た男たちの笑い声が迫ってくる。 絶望的な状況に、小柄な人影は両手で顔を覆った。 その指の間からは嗚咽のような音が漏れ始めた。 |
みなさん、こんにちは、Yukarikoです m(__)m この作品は、MMORPGコンチェルトゲートフォルテ(新章以前)を舞台にして、自分のキャラやお友達のキャラを登場人物とした二次創作作品です。 さて、それでは作品のあとがきっぽくコメントを・・・。 ※ネタばれもありますので、本編未読の方はご注意ください。 |
とは言ったものの、現実は
鍵の方はスキルも上がって、そこそこ売れはしたものの、 考えてみれば当たり前だよね。 で、ゆかりこ時代はともかく、慧さまとなってからは、 これまでの実績は「ゆかりこ」のものであって、 まあ攻撃呪文を華々しくぶっ放す魔術師と、素早い身のこなしで敵に とまあ、理屈ではわかっていたんだけど、本当のところ、 (あ~あ、なんか面白いことないかなぁ・・・) そんなときに彼らに出会っちゃったんだよね。 |